『ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ』開発者インタビュー
2025年9月30日(火)発売予定『ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ』。
オリジナル版からさらに魅力を増した本作について、ディレクターの前廣和豊にインタビューを行いました。
※Steam®版は2025年10月1日(水)発売予定です。
※本インタビューは2025年6月17日(火)に海外向けに掲載されたインタビュー内容を元に構成しています。
オリジナル版からさらに魅力を増した本作について、ディレクターの前廣和豊にインタビューを行いました。
※Steam®版は2025年10月1日(水)発売予定です。
※本インタビューは2025年6月17日(火)に海外向けに掲載されたインタビュー内容を元に構成しています。
| なぜいま『ファイナルファンタジータクティクス』を蘇らせようとお決めになったのですか。 |
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| 今から数年前に、とあることがきっかけで、オリジナルの『ファイナルファンタジータクティクス』をプレイする事がありました。 オリジナル版の発売当初から久しぶりのプレイになったのですが、現在のゲームと比べても何ら遜色のない優れたゲームデザインと、奥深いストーリーに、改めて『ファイナルファンタジータクティクス』の素晴らしさを体感しました。 ですが一方で、コンソール環境においては、現在のプラットフォームでプレイできる環境がありません。 この素晴らしいゲームを、当時を知らない今の世代の新しいプレイヤーにも遊んでもらいたいと強く思い、開発をスタートさせました。 |
| オリジナル版を拡張した本作を制作する際、どのような点に注力されましたか。 |
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| オリジナル版は30年前のゲームです。 いくら優れたゲームとはいえ、ただリマスターしただけでは、今の世代の新しいプレイヤーには伝わりません。 操作方法やUIの刷新、ボイスの追加によるストーリーへの没入感の向上など、オリジナル版の良さをそのままに、さらに高めた上で、いかに現在に即したゲームにするかを注力してきました。 その結果、エミュレータで動かすのではなく、リマスターでもリメイクでもなく、「改めて『ファイナルファンタジータクティクス』を作り直す」という手法を取ったのです。 |
| 『ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ』の制作にあたって、一番苦労したことは何ですか。 |
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| 大きな課題はいくつかあったのですが、すべては「オリジナル版のマスターデータやソースコードが存在しなかった」ことに起因しています。 これは、扱いが雑だったとか、管理不足だとか、そういう類のものではなく、当時はそれが当たり前だったのです。 当時は、現在ほど優れたリソース管理ツールも存在しなく、日本語版を先に制作し、その後、それを上書きする形で英語などの多言語版を制作していました。 オンラインによるパッチやアップデートも存在しなかったため、よほどのことがない限り、一度作ればそれで終わりだったのです。 マスターデータやソースコードが存在しない状態での開発が、本作で最も大きな課題だったと言えるでしょう。 |
| そうした課題をどのように克服なさったのですか。 |
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| 一言で言えば「力技」です(笑) 存在するいくつものバージョンを解析してオリジナル版のプログラムを構築し直したり、時にはオリジナル版をプレイしながら、目コピや耳コピをしたり……。 新しい要素を作っていく裏で、昔のアーケードゲームをファミコンに移植をしているような作業を、ひたすらに積み重ねてきました。 本作に携わってくれたスタッフには大いに助けられ、感謝してもしきれません。 |
| 本作では、フルボイスと更新されたシナリオが実装されました。 これらの要素を含める事が重要だった理由をお聞かせください。 |
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| オリジナル版がリリースされた30年前に比べ、今のゲームは台詞にボイスが付いて当たり前の時代になっています。 当然、ボイスがあった方がキャラクターの感情を的確に表現でき、ストーリーへの没入感も向上するため、利点は非常に大きいです。 ですので、フルボイスへの対応は必然でした。 一方で、オリジナル版の台詞はゲーム内の文字を「読む台詞」でしたので、そのままボイスを当ててしまうと不自然になってしまいます。 そこで、オリジナル版の脚本を務めた松野泰己さんの協力の元、ボイスに適した台詞に調整していただきました。 オリジナル版の雰囲気はそのままに、キャラクターが声を出しても自然な台詞となり、よりストーリーに没入できるようになったと思います。 |
| PS1の作品をHDディスプレイで美しく見せるという挑戦にはどのようにアプローチしましたか。 |
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| オリジナル版の良さのひとつに、可愛らしくも緻密なキャラクターのドット絵がありました。 また、マップに関しても、温かみのあるテクスチャーとモデリングで、印象深いビジュアルを作り上げていました。 ですから、それらを損なわず、さらに向上させることを目的としました。 解像度を上げつつも派手な効果は抑え、長い時間をかけて画面効果を調整した結果、オリジナルの良さはそのままに、『ファイナルファンタジータクティクス』たる新たな表現にすることができたかと思います。 |
| UIも大幅に変えたと伺いましたが、それはなぜですか。 |
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| UIを刷新した一番の理由は、やはり、新しいプレイヤーにも遊んでもらいたいからです。 ゲームデザインによるところもありますが、UIは時代時代に流行り廃りがあり、またプラットフォームによってもあり方が大きく異なります。 オリジナル版が発売されて30年、現在では流石に当時のUIは古い物になっていました。 そこで、『ファイナルファンタジータクティクス』のゲームデザインをより良く体験できるよう、当時のUIで特にわかりづらかった部分の見直しから始め、新規要素の追加など、今の世代で快適にプレイできるよう全面刷新したのです。 |
| 本作『ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ』には、オリジナル版をプレイできる「クラシック」バージョンが収録されています。とてもすばらしいアイディアだと思いますが、なぜ「クラシック」バージョンを追加したのですか。 |
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| オリジナル版のファンの方には、余計な脚色は必要ないと思う方もいらっしゃると思います。 これは、私自身が世に出ている様々なリマスタータイトルに感じていることでもありました。 ですから、「エンハンスド」として、新しいプレイヤーにも遊んでもらえるよう、今の世代に即したバージョンを作る一方で、「クラシック」として、オリジナル版に準拠したバージョンを同時収録することに迷いはありませんでした。 その「クラシック」も、ただ当時のままではなく、オートセーブ機能など利便性を高めたり、多くのバグFIXを行い、当時の感覚そのままに現在のプラットフォームで快適に遊べるように対応しましたので、オリジナル版のファンの方も安心してプレイできるようになっています。 |
| 発売前にプレイヤーが知っておくと良いヒントはありますか。 |
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| 『ファイナルファンタジータクティクス』はタクティカルRPGというジャンルで、一見難しいように思えるかもしれません。 ですが、紐解いてみれば、戦闘システムが特徴的な「RPG」であることがわかります。 つまり、RPGの基本に立ち返ることで、自然にプレイの幅を広げることができます。 ひとつ目は、キャラクタービルドについて。 『ファイナルファンタジータクティクス』はキャラクターがなれるジョブも多く、複雑に見えるかもしれませんが、このキャラクターは魔法使いにしようなど、目的を決めて育成やビルドを行うと、キャラクターを強化しやすいはずです。 本作では、それをフォローする仕組みもあるため、活用してみてください。 ふたつ目は、装備品を整えること。 『ファイナルファンタジータクティクス』は、ジョブによって装備できるアイテムが異なります。 また、ゲーム内に登場する都市によって、ショップで販売されている装備品の傾向が異なります。 その時々のパーティ構成に即した装備品を適切に身に付けることで、キャラクターを強化するほか、戦闘の難易度を大きく下げることができるでしょう。 本作では、ワールドマップで、どの都市に何の装備を販売しているかひと目でわかる仕組みもあるため、活用してみてください。 みっつ目は、敵キャラクターのステータスをよく調べること。 敵キャラクターの多くは、味方キャラクターと同様にジョブに付いていたり、アイテムやアビリティを装備しています。 そのため、戦闘によっては、敵から思わぬ攻撃を受けたり、不意のカウンターを食らってしまうことがあるかもしれません。 戦闘中は、敵キャラクターのステータスをよく調べて対策することが勝利の鍵となります。 特に状態異常を仕掛けてくる敵への対策は、ショップにそれを無効化する装備品が売っていたりするため、難しいと感じたら一旦戦闘を中断し、改めてショップを見て回るのも良いかもしれません。 本作では戦闘の中断やリトライも簡単なので、活用してみてください。 |
| 『ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ』に関して最も誇りに思っていることは何ですか。 |
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| オリジナル版の発売から30年が経った今でも、多くのファンの方に愛されていることこそ、最大の誇りと言えるでしょう。 それほどの魅力に満ちたゲームのオリジナル版、そして本作に携われたことは、私自身の誇りでもあります。 |
| 最後に、発売を待ち望んでいるみなさんへのメッセージをお願いします。 |
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| 1997年、PlayStationで販売された『ファイナルファンタジータクティクス』が、 いよいよ『ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ』として蘇ります。 獅子戦争と呼ばれる貴族派閥の軍事紛争を舞台に、英雄王ディリータ・ハイラルと、もうひとりの英雄ラムザ・ベオルブのふたりの英雄の物語が繰り広げられます。 オリジナル版のプレイヤー、ファンの方はもちろん、本作で初めて『ファイナルファンタジータクティクス』に触れる方も楽しめる内容になっていますので、ぜひプレイしてみてください! |
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『ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ』

- 発売日:2025年9月30日(火)
※Steam®版は2025年10月1日(水)発売予定 - ジャンル:タクティカルRPG
- 対応機種:Nintendo Switch™ 2 / Nintendo Switch™ / PlayStation®5 / PlayStation®4 / Xbox Series X|S / Steam®
- 価格:通常版(ダウンロード版):5,800円(税込)
デラックスエディション(パッケージ版 / ダウンロード版):6,800円(税込)
デラックスエディション+特別装丁コレクターズBOX :28,800円(税込)
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